3.2 投資信託などリスク性商品で運用する場合

投資信託や株の積立投資は、リスクがある分、定期預金よりも効率よくお金を増やすことが期待できます。長期で運用することが前提ですが、3000万円に達成するまでの時間は積立定期預金より短縮できるでしょう。

私たちが納めている年金保険料の一部はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって、市場運用開始以来、年率4.36%で運用されています。

安定的な年金制度の運用のために、国内外債券・株式に、ほぼ4等分して投資するポートフォリオを基本としており、個人も参考にしやすい配分です。このリターン(4%)が得られたものとして計算してみましょう。

【月々の積立額・期間】

  • 3万円 37年
  • 5万円 28年
  • 8万円 20年
  • 10万円 17年
  • 15万円 13年

5万円の積立額であれば、約28年で3000万円まで到達する可能性があります。

20歳代や30歳代の方であれば、30~40年かけて、月に3~5万円の積立運用は検討する余地があるでしょう。40歳代の方であれば、毎月5~8万円の積立を行うと、60歳代で3000万円に到達する可能性が高くなります。

ただし、運用期間が短くなると運用資産のブレが生じやすくなります。たとえば今年8月のような株価の大きな下落があると、投資をスタートしたばかりなら元本が割れやすくなるかもしれません。

リスクを回避するためには、長期・積立・分散投資がポイントです。長期で運用すると複利の効果を得やすくなり、積み立て投資であれば購入単価の平準化が期待できます。投資先を分けることもリスクの低減につながります。

4. 資産形成はリスクと上手に付き合うことが大切

老後生活の心配を取り除くためにも、老後に必要な金額を計算して、無理なくお金を貯められる方法を模索してみましょう。また、自分がリスクをどれくらい許容できるか、確認することも大切です。

今年8月の株価暴落で、積立投資をストップした方もいらっしゃったと聞きます。個人的にはもったいないことだと思いますが、大きな下落にショックを受けられた方の気持ちもよくわかります。

リスクについての考え方は人それぞれです。流行りや周囲の意見に惑わされず、慎重に検討してから投資を始めるようにしてくださいね。

参考資料