内閣府の「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」によると、60歳以上の方で「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」あるいは「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と回答した人は全体の67.7%にのぼります。
約7割の方が心配なく生活している一方で、3割以上の方が「家計にゆとりがなく、多少心配である(24.5%)」「家計が苦しく、非常に心配である(7.4%)」と回答しています。
そこで今回は、リタイア世代のお金事情を検証すべく、とくに70歳代の貯蓄ゼロ世帯の割合、平均貯蓄額や中央値を確認してみます。老後に向けた資産形成についても一緒に考えてみましょう。
1. 70歳代世帯の約2割が貯蓄ゼロ!3000万円以上も2割
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳以上の二人以上世帯で、金融資産非保有世帯の割合は全体の19.2%となっています。
また、金融資産を保有している世帯で、その額が100万円未満の割合は5.6%、100万円から200万円未満は5.1%、200万円から300万円未満は4.3%となり、貯蓄ゼロ世帯と合計すると34.2%にのぼります。
一方で、金融資産を3000万円以上保有している世帯の割合は19.7%で、全体のおよそ2割です。