昨今、固定費の上昇や物価の値上がりに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。家計のやりくりが厳しくなり、将来に対する不安を感じる声が増えています。 

筆者は普段、個人向け資産運用アドバイザーとして多くの相談を受けていますが、その中でも特に多いのが「物価上昇や少子高齢化が続く中で、将来が不安だ」という声です。現役世代はもちろん、老後の生活を見据えて将来資金をどのように準備すべきかといった質問が多く寄せられています。

一方で、このような不安が広がる中、日本では「富裕層」と呼ばれる人々の数が増加しています。

日本における富裕層はどれくらいの割合を占めているのでしょうか。また、富裕層はどのようなものにお金を使い、どのような考え方で資産を守っているのでしょうか。

今回の記事では、日本における富裕層の割合や、彼らの消費行動の特徴について解説していきます。

また、記事の最後には「物価上昇への具体的な対策方法」についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 富裕層は日本の何%くらい?

日本の富裕層の割合。2枚目以降では富裕層のカード利用金額が多かったカテゴリを図表でチェック!

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」

野村総合研究所のリリースによると、純金融資産が1億円以上5億円未満の世帯である「富裕層」と、5億円以上の「超富裕層」は日本に約148万5000世帯存在しています

これは、日本全体の約2%にあたります。

1.1 富裕層の世帯数と保有資産規模

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

日本の富裕層や超富裕層の資産規模は増加傾向にあり、今後もその傾向が続くと予想されています。

この傾向によって、資産の偏りがさらに大きくなる可能性があります。

そこで、富裕層のお金の使い方を詳しく見ていき、参考にしてみましょう。