1.2 階層別:純金融資産保有額別にみた世帯数
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
一方、富裕層・超富裕層の保有資産額の合計は364兆円、これを割合すると全世帯の保有資産合計額の約27%です。ごく少数の「トップ層」世帯に資産が集中していることが分かりますね。
なお、富裕層・超富裕層に分類される世帯の数は、2005年以降で最多となりました。次で詳しく見ていきましょう。
2. 「富裕層・超富裕層世帯」は増えている
同調査レポートによると、富裕層および超富裕層の世帯数は、安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始動した2013年以降増え続けています。
2.1 純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移
また「富裕層・超富裕層」たちの純金融資産保有額も右肩上がりで成長中。2015年から2017年にかけては9.9%、2017年から2019年にかけては11.3%、2019年から2021年にかけては9.3%、毎年10%前後の増加が続いています。
- 2015年:272兆円
- 2017年:299兆円
- 2019年:333兆円
- 2021年:364兆円
富裕層・超富裕層たちの世帯数・純金融資産総額ともに増えている背景の一つとして考えられるのが、株式や投資信託といった有価証券の資産価格の上昇です。
同レポートでは、「富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと考えられます。」と言及されています。
「貯蓄から投資へ」という意識の高まりが進む中、金融市場の変動を上手に活用して利益を出せた投資家も少なくないでしょう。その結果、もともと「準富裕層」だった世帯が、資産運用の成功をきっかけに富裕層へとスライドしたとも考えることができそうです。
また、こうして築かれた資産は、一般的に親から子、そして孫へと受け継がれていきます。少子化の進行に伴い相続人となる子どもの数も減少しているため、1人当たりの相続額が増える傾向も影響していると言えるでしょう。
ここまでは金融資産額で見た富裕層たちの状況を把握してきました。次では世帯年収から見た富裕層、いわゆる「インカムリッチ」と呼ばれるお金持ちたちの特徴について詳しく見ていきます。