2. 生活保護の受給要件

生活保護の受給の可否は世帯単位で判断され、世帯全員が保有している資産を生活費に充てることや、働く能力があれば働いて収入を得るなどして、生活費に充てることが前提とされています。

それでも世帯収入が最低生活費に満たない場合に、生活保護の対象になります。

なお、最低生活費とは「健康で文化的な最低限度の生活」を送るために必要な費用のことで、毎年厚生労働省が算定しているものです。

2.1 資産の活用

活用できる資産がある場合は、売却や解約などをして生活費に充てる必要があります。

資産とは、預貯金や土地・家屋、生命保険、有価証券、自動車、貴金属などの換金可能な財産を指します。

ただし、最低限の生活を維持するためや、自立助長に役立つ場合などは、保有が認められることもあります。

2.2 能力の活用

働ける場合は、能力に応じて働かなければなりません。働く能力があり、仕事もあるにもかかわらず働かない場合は、生活保護を受けられません。

2.3 他の制度の活用

年金や手当など他の社会保障制度で受けられるものがある場合は、まずはそれらを活用します。

2.4 扶養義務者

扶養義務者から援助を受けられる場合は、援助が優先されます。扶養義務者とは三親等以内の親族(父母、子、兄弟姉妹、甥・姪、叔父・叔母、曽祖父母、祖父母、孫、ひ孫)が該当します。

なお、扶養義務者からは、可能な範囲で援助を受けるとされているものであり、扶養義務者がいるというだけで、生活保護が受給できないということではありません。