1. 老後生活の支出

家計調査年報(家計収支編)2023年結果の概要より、65歳以上の無職世帯の収支の項目を確認していきます。

65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支

65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支

出所:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)」

統計結果による収支としては、下記の通りとなっています。

  • 収入の平均合計:24万4580円
  • 支出の平均合計:25万959円(税金・社会保険料などの自由にならない非消費支出を除いた消費支出の合計)

次に、収支項目について主なものをいくつか確認していきます。

1.1 食料費

65歳以上の世帯で、最も大きな割合を占めているのが食料費です。平均割合では29.1%を占めており、平均7万3000円程度を使用していることになります。

食費は、個別の食生活や健康状態に大きく依存しますが、食事は生活の基本であるため、他の支出に対して高齢となっても金額が抑えられない場合が多くあります。

1.2 交通・通信費

次に大きな割合を占めるのが、交通・通信費です。

平均割合では12.2%を占めており、平均3万円程度を使用していることになります。

特に交通費は、高齢となると徒歩による移動が難しくなることも多いため、公共交通機関やタクシーなどの利用が多くなると考えられます。

1.3 趣味・娯楽費

食料費の次に大きな割合を占めるのが教養娯楽費です。

平均割合では9.8%を占めており、平均2万5000円程度を使用していることになります。

教養娯楽費は、趣味や旅行など、充実した日々を送るための支出を指します。

かなり世帯差が出るところであり、例えば生活が苦しい世帯においては、真っ先に切り詰める対象となる支出ではないかと考えられます。

1.4 水道光熱費

次に大きい割合となるのが、水道光熱費です。

平均割合ではおよそ8.9%を占めており、平均2万2000円程度を使用していることになります。

一般的な生活をするために必要となる支出であり、特に定年退職をしたあとの夫婦であれば、家にいる時間も長くなるため、外で働く年代よりも支出が膨らむと考えられます。