1.1 【階層別】純金融資産保有額別にみた世帯数をチェック

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

2021年の調査結果では、2005年以降で最も多い富裕層・超富裕層の世帯数となったことが分かっています。

2. 富裕層・超富裕層の世帯数が増えている日本

野村総合研究所の調査によれば、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が始まった2013年以降、富裕層・超富裕層の世帯数は増加を続けていると報告されています。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

また、富裕層・超富裕層が保有する純金融資産の総額も、増加を続けています。

  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円

2019年から2021年にかけて、富裕層・超富裕層の合計資産額は9.3%の増加を見せ、364兆円に達しました。

この増加の背景には、株式をはじめとする資産価格の上昇が影響していると考えられます。

調査を行った野村総合研究所は、富裕層と超富裕層の資産増加に加え、金融資産を運用していた準富裕層の一部が富裕層に、さらに富裕層の一部が超富裕層に進展したことも要因の一つとして挙げています。

また、資産形成や投資の促進が進む中で、一定の利益を得た投資家たちが、もともと5000万円以上の資産を保有していた準富裕層から富裕層に昇格したことも一因とされています。

加えて、資産は世代を超えて親から子、そして孫へと引き継がれるものであり、少子化の進行により相続される子どもの数が減少すると、一人当たりに相続される金額が増加することも影響している可能性があります。

次章では、「世帯年収」を中心にお金持ちの特徴について詳しく見ていきます。