物価上昇率の高まりとともに2025年度の年金額は前年より1.9%増加しましたが、実際に周りの人はいくらくらいの年金を受け取っているか気になる人もいるでしょう。
本記事では、厚生労働省が毎年1月に発表する年金額例について解説します。
実際の平均受給額や年金額の確認方法も紹介しますので、これから年金受給が始まる人は確認しておきましょう。
1. 【老齢年金の目安】2025年1月に公表された年金額例
年金の給付水準は毎年4月に見直されますが、4月の給付水準が確定すると厚生労働省では毎年1月にモデル家庭の年金額例を公表します。
2025年1月24日に公表された年金額例について解説します。
1.1 夫婦2人分の年金額は23万2784円
厚生労働省が公表した直近の年金額例は、2025年4月の年金額改定を反映して次の通りです。
- 年金額例①国民年金(老齢基礎年金の満額1人分):2024年度は6万8000円、2025年度は6万9308円(プラス1308円)
- 年金額例②厚生年金(夫婦2人分の標準的な年金額):2024年度は22万8372円、2025年度は23万2784円(プラス4412円)
年金額例①は、自営業者や専業主婦など国民年金に加入していた人をモデルとした年金額です。7万円弱の年金だけで生活するのは難しいため、十分な老後資産を蓄えるか、年金を受け取りながら仕事を続けるなどの対策が必要です。
年金額例②は、会社員の夫と専業主婦の妻という一昔前のモデル世帯の年金額です。老後生活費の一定割合を賄うことのできる額ですが、不足分の対策も必要でしょう。
1.2 加入状況別の年金額例
働き方が多様化して年金の加入状況も人によって大きく異なる現在、従来のモデル世帯に当てはまらない個人や世帯が増えています。
そのため、厚生労働省では加入履歴に応じた複数モデルの年金額を公表するようになりました。
厚生年金加入者の男女別モデルの年金額例は次の通りです。
- 年金額例③厚生年金期間中心(20年以上)の男性:2024年度は17万0223円、2025年度は17万3457円(プラス3234円)
- 年金額例④厚生年金期間中心(20年以上)の女性:2024年度は12万9654円、2025年度は13万2117円(プラス2463円)
年金額例③は、厚生年金期間が約40年、平均収入が約51万円での年金額です。
また、一般的に女性の方が厚生年金加入期間が短く年収が少ないことから、年金額例④は、厚生年金期間が約33年、平均収入が約36万円で試算されています。
男女別に年金額例を比較すると、月4万円以上という大きな差が出ます。
ここまで、厚生労働省が毎年1月に発表する年金額例について解説しました。
次章では、現在年金を受給している人の実際の年金額を見ていきましょう。

