総務省統計局が2025年2月7日に公表した「家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)12月分」によると、前年同月と比較して消費支出が実質2.7%増加していることが明らかになりました。

物価の高騰が続く中、多くの家庭で生活費の負担が増しており、家計への影響は避けられない状況となっています。

一方で、賃上げの動きも進んでいるものの、値上げ幅に追いつかないケースや、賃上げが実施されない中小企業が多いことから、実質的な負担の軽減にはつながりにくいという課題も浮き彫りになっています。

「他の家庭も同じようにやりくりに苦戦しているのだろうか」と、不安を感じる人もいるかもしれません。

今回は、国税庁が公表した最新の「令和5年分 民間給与実態統計調査」をもとに、平均給与の推移や、雇用形態による収入の差について詳しく解説していきます。

1. 【前年比+0.4%】日本の平均給与は「460万円」

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、2023年に1年間働いた給与所得者の平均給与は460万円となり、2014年以降で最も高い水準に達しています。

【写真4枚中1枚目】平均給与の推移(2014年~2023年)。2枚目以降で、雇用形態(正規・非正規)や男女による給与の違いをチェック

平均給与の推移(2014年~2023年)

出所:国税庁 長官官房 企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査」

2014年から2023年の10年間では、2019年と2020年に2年続けて平均給与が減少しましたが、2021年から2023年には3年連続で平均給与が増加しています。

ただし、これは民間企業に勤める給与所得者全体の平均であり、雇用形態や性別によって給与額に違いがある点にも注意が必要です。

2. 「雇用形態」や「男女」で平均給与に格差があるって本当?

ここからは、「正規社員(正社員)・非正規社員(正社員以外)」や「男性・女性」での平均給与の違いについて見ていきましょう。

雇用形態(正規・非正規)や男女別の平均給与

雇用形態(正規・非正規)や男女別の平均給与

出所:国税庁 長官官房 企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査」

2.1 「正社員と正社員以外」の平均給与の違い

正社員の平均給与は530万円(前年比+1.3%)で、正社員以外の平均給与は202万円(前年比+0.7%)となっており、その差は328万円です。

正社員の給与は、正社員以外の約2.6倍にあたります。

前年の平均給与は、正社員が523万円、正社員以外が201万円で、差は322万円でした。

このデータから、雇用形態による給与格差がやや広がっていることがわかります。

2.2 「男性と女性(正社員の場合)」の平均給与の違い

2023年の平均給与は、男性が569万円、女性が316万円で、その差は254万円となりました。

また、前年は男性が563万円、女性が314万円で、男女差は249万円でした。

上記から、男女ともに平均給与自体は前年比で増加していますが、収入格差は広がっている状況です。