2.2 女性で最も多い年収帯は「100万円台」で20.5%
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、女性で最も多い年収帯は「100万円台」となりました。
女性の給与所得者における年収区分の一覧表は下記のとおりです。
女性の場合、年収帯「100万円超200万円以下」が占める割合は20.5%であり、約5人に1人が年収100万円台であることがうかがえます。
さらに、全体の平均年収に満たない「年収400万円以下」の割合は72.3%を占めており、男性と比較して年収帯に偏りがあることがわかります。
女性は出産や子育てのタイミングで働き方を変えるケースが男性よりも多いため、収入の上昇が男性よりも少ない傾向にあると考えられます。
また、夫の扶養に入りながら働く場合、税金や社会保険料の負担増に関係のある「年収の壁」を意識して働く主婦が多いことも、男女の年収差に影響しているのでしょう。
実際に「年収の壁」のボーダーラインの多くが「年収100万円超〜200万円以下」の範囲内です。
- 年収100万円の壁:住民税が課税される年収目安
- 年収103万円の壁:所得税が課税される年収目安
- 年収106万円の壁:勤務先の要件によって社会保険料の加入義務が発生する年収目安
- 年収130万円の壁:社会保険上の扶養から外れる年収目安
- 年収150万円の壁:配偶者特別控除を満額(38万円)適用できなくなる年収目安
- 年収201万円の壁:配偶者が配偶者特別控除の適用外となる年収目安
上記の結果をふまえ、今後、税金や社会保険料の負担を軽減し、「年収の壁」を意識しなくても働きやすい環境を整えることで、女性の年収向上につながる可能性があるとうかがえます。
3. 自分の年収が「高いか」「低いか」比較してみよう
本記事では、男女別の平均年収について詳しく紹介していきました。
最新データの年収割合を参考に、ご自身の性別・年齢の平均年収と比較して、自分の年収が高いか・低いかを一度比較してみると良いでしょう。
もし、「年収が低い」と感じた場合は、この機会に年収アップの検討をしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
和田 直子