2024年11月29日に発表された帝国データバンクの分析によると、2025年の飲食料品値上げは3933品目となり、前年同時期に公表した24年の値上げ品目見通し(1596品目)を大幅に上回りました。

こうした値上げの影響を受け、多くの人が家計や将来の生活資金に対する不安を抱えているようです。ファイナンシャルアドバイザーの筆者のもとにも、「今の生活水準を維持しながら老後資金をどう確保すればいいのか」といった相談が寄せられることが増えています。

特に老後の生活において、公的年金だけでやりくりすることが現実的に可能かどうかは、多くの人にとって関心の高いテーマです。

この記事では、厚生年金と国民年金の平均額や、低年金世帯に向けた「年金生活者支援給付金」についても触れ、制度の内容や受給対象者についてわかりやすく説明します。

これらを通じて、老後の生活に向けた資金計画や、資産運用を検討する際の参考になれば幸いです。

1. 「生活が苦しい」高齢者世帯は59%

高齢者世帯の生活が厳しいという話はよく聞きますね。

では実際はどうなのか、データを見てみましょう。

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の59%が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と感じていることがわかりました。

【写真1枚目/全9枚】生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合。次の写真で年金一覧表(60歳代~90歳代のリアルな年金額)を見る

「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合グラフ

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

1.1 全世帯での結果一覧

  • 大変苦しい:26.5%(前回20.2%)
  • やや苦しい:33.1%(前回31.0%)
  • 普通:35.8%(前回42.1%)
  • ややゆとりがある:3.9%(前回5.5%)
  • 大変ゆとりがある:0.7%(前回1.1%)