4. 年金を増やすためにできる工夫
年金を増やすためには、以下の制度を活用してみましょう。
- iDeCo
- 個人年金保険
- 財形年金貯蓄
おすすめの方法はiDeCoです。iDeCoは自分で運用しながら積み立てる年金で、税制優遇に強みを持ちます。掛金が全額所得控除の対象となり、受取時も公的年金の金額と併せて年間110万円以下であれば税金がかかりません。
12月からは確定企業給付年金などに加入している人のiDeCoの拠出限度額が1万2000円から最大2万円まで引き上げられます。税負担を減らしながら資産をつくりたい人に適した制度です。
個人年金保険は、保険料を支払って年金を積み立てていく保険で、保険料が所得控除の対象になるのが特徴です。
また、財形年金貯蓄は給与天引きで年金を積み立てられる制度です。元利550万円までの利子等が非課税になるのが特徴です。申込対象は55歳未満で、最低5年間は積立を継続する必要があります。
5. まとめ
公的年金だけで月20万円の年金を受け取るのは、年収や厚生年金保険の加入期間なども考慮する必要があり、厳しい道のりです。
しかし、私的年金を上手に活用すれば老後の生活にゆとりを持てます。資産を取り崩すペースも多少緩やかになるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「は行 報酬比例部分」
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「確定拠出年金の拠出限度額」
- 厚生労働省「財形貯蓄制度」
石上 ユウキ