今年の年金支給も12月の1回を残すのみとなりました。これから電気代やガス代、灯油代などの支出が増え、家計のやりくりの仕方を工夫していく必要があります。

日本の年金は一定期間の保険料を納めた人誰もが受け取れる国民年金と、会社員や公務員が受け取れる厚生年金に分かれています。

年金受給額は人によって異なりますが、なかには月額20万円、年間で240万円の年金を受け取っている人もいます。

年金を月額20万円以上受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか。この記事では、年金を年間240万円(月額20万円)受け取っている人の割合や年金を増やす工夫について解説します。

1. 年金の平均受給額

日本の年金制度は2階建てとよばれています。1階部分が20歳以上の国民全員が原則として加入する国民年金、2階部分が会社員や公務員が加入する厚生年金となっています。

【写真全4枚】1枚目/日本の公的年金「2階建て」の構造、2枚目/《一覧表》国民年金・厚生年金(基礎年金含む)

日本の公的年金「2階建て」構造

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

これを踏まえて、国民年金・厚生年金(基礎年金含む)それぞれの平均受給月額を見てみましょう。

《一覧表》国民年金・厚生年金(基礎年金含む)

《一覧表》国民年金・厚生年金(基礎年金含む)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

〈国民年金の平均受給月額〉

  • 男子:5万8798円
  • 女子:5万4426円
  • 全体:5万6316円

〈厚生年金(基礎年金含む)の平均受給月額〉

  • 男子:16万3875円
  • 女子:10万4878円
  • 全体:14万3973円

男女合わせた平均受給月額は国民年金が5万6316円、厚生年金(基礎年金含む)が14万3973円で、いずれも20万円に届いていません。

国民年金は満額の受給額が決まっているため、個人で年金を上乗せしない限り月額20万円以上の年金は受け取れません。

また、厚生年金の平均受給月額も14万円台と20万円台には届いていません。厚生年金は給与や厚生年金保険の加入期間によって決まります。月額20万円以上を受給するのであれば相応の収入と長期間の加入が必要といえるでしょう。

では、年金を年間240万円受け取っている人の割合について、次章で確かめます。