2024年11月11日、日本銀行が公表した「金融政策決定会合における主な意見(2024 年 10 月 30、31 日開催分)」では、今後の物価の見通しについて、以下のように述べています。
消費者物価の基調的な上昇率は徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。
つまり、今後も継続的に物価が上昇していくと考えられているということ。公的年金を主な収入源として生活する人にとって厳しい状況が続くわけですが、年金を含む所得が一定額に満たない場合には、「年金生活者支援給付金」という給付金が支給されます。
本記事では、年金生活者支援給付金と老齢年金(厚生年金・国民年金)について解説していきます。
1. 年金に上乗せ支給!「年金生活者支援給付金」とは?
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得が一定の基準を下回る年金生活者を支援するために、年金に追加して支給される給付金です。
この制度は2019年10月1日に導入された比較的新しいもので、財源は消費税率の引き上げ分を利用しています。
支給は原則として2ヶ月に1回行われ、公的年金と同じ日に2ヶ月分が振り込まれる仕組みです。
1.1 「年金生活者支援給付金」は3種類ある
年金生活者支援給付金には、下記の3種類があり、「受け取る年金種類」によって要件や支給額などが変わります。
- 老齢年金生活者支援給付金:老齢年金(国民年金)を受給している人が対象
- 障害年金生活者支援給付金:障害年金を受給している人が対象
- 遺族年金生活者支援給付金:遺族年金を受給している人が対象
制度創設時の試算によると、老齢年金生活者支援給付金の対象者は約610万人、障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の合計で約200万人とされています。
このように、多くの年金世帯がこの給付金を受け取っていることがわかりますが、具体的にどのような人が対象となるのでしょうか。
次章では、それぞれの給付要件について詳しく解説します。