1.2 階層別:純金融資産保有額別にみた世帯数

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

2021年調査時における純金融資産1億円以上の富裕層・超富裕層は148万5000世帯、割合にすると全体の約2%。そしてこの2つの階層が保有する資産の合計は364兆円で、5階層すべての世帯の金融資産合計の約20%を占めます。

少数の「トップ層世帯」に、多くの資産が集中していることが分かりますね。さらに、富裕層・超富裕層の世帯数は2005年の調査開始以降で最多となっているのです。次で詳しく見ていきましょう。

2. 日本の富裕層・超富裕層の世帯数は増え続けている

同調査によると、安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始まった2013年以降、富裕層・超富裕層の世帯数は増えています。

2.1 純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

さらに、「富裕層・超富裕層」の純金融資産保有額の合計も増加傾向が続いています。

  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円

富裕層・超富裕層世帯の数と、その純金融資産保有額が増えている背景には、株式などの資産価格の上昇が挙げられます。

同社リリースでは「富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと考えられます」と言及。

貯蓄から投資へと資産運用への動きが加速する中、金融市場の変動によって保有資産の価格が上がった準富裕層たちが、富裕層に繰り上がったことが考えられます。

さて、一般的に、資産は親から子、そして孫へと引き継がれていきます。少子化が進む昨今、相続人となる子どもの数が減が減り、一人当たりの相続額が大きくなっている点なども、背景の一つにあると言えそうです。

次では「世帯年収」で見たお金持ちについて考えてみましょう。