2. 現在の高齢者世帯の特徴
現在は夫婦共働き世帯が増えていますが、おおむね2000年以前は専業主婦世帯が一般的でした。実際に、厚生労働省の資料を見ると、2000年頃を境に「男性雇用者と無職の妻からなる世帯」が「雇用者の共働き世帯」を上回っています。
現在年金を受給している世帯は、現役の頃に専業主婦世帯だった可能性が高いでしょう。つまり、「2人分の老齢基礎年金+1人分の老齢厚生年金」をベースに生活設計をしていると考えられます。
2024年度におけるモデル年金で「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」は23万483円でした。このモデル年金は専業主婦世帯を想定しているため、現在年金を受給している世帯の受給額に近いといえるでしょう。
厚生年金は加入期間が長いほど、加入期間中の報酬が高いほど受給額が増える仕組みです。妻が受給できる厚生年金がない、あるいは低額だと生活費をカバーするだけで精一杯になってしまう世帯が多いと考えられます。