4. 【アドバイザー直伝】資産運用のコツ
50歳代の貯蓄額を見てもわかるとおり、リタイアを目前にした世代でも十分な資金を貯めている人は少ないことがわかりますね。
新NISAを利用して資産運用を考える場合、ある程度の運用利回りを追求しないと、小額で資産を築くのは難しいのが現状です。
4.1 老後資金の運用リスクとその対策
老後までの期間が短い方が資産運用をする際には、元本割れのリスクが心配ですね。
そのリスクを防ぎ、計画的に資産を増やすためには、リスクを分散させることが大切となります。
4.2 時間を分散させる積立投資
まず、積立投資を活用して時間を分散させましょう。
運用を始めると、焦って利益を追求し、まとまったお金を一度に投資する人もいますが、それではリスクが高まります。
焦らず、少しずつ積立投資をすることでリスクを分散しながら利益を出すことができます。
4.3 分散投資の重要性
次に、分散投資を心がけましょう。
NISA口座を開設したら、どの金融商品に投資するかを選ぶ必要があります。
その際、1つの国や地域、同じ業界だけに偏らないようにすることが大切です。
老後までの期間が短い人ほど高い運用利回りを求める必要がありますが、リスクを分散させる方法もあります。
積立投資と分散投資を組み合わせて、計画的に資産を増やしていきましょう。
5. まとめにかえて
新NISAは、資産運用初心者でも少額から資産運用を始められる制度です。投資のハードルが低く、運用益が非課税になるため、多くの人にとって魅力的な仕組みといえます。
ただし、資産運用にはリスクが伴います。このようなリスクに備えるためには、資産を分散させることが大切です。
全ての資産を運用に回すのではなく、必要なときにすぐ使える資産も確保しておくことが求められます。例えば、日常的な支出や緊急時の出費に備えて銀行預金を確保しておくことや、保険による保障で備えておくことも有効な手段といえます。
リスクを十分に理解したうえで、無理のない範囲で投資を続けることが、効率的な資産形成につながります。今回をきっかけに、自分の生活スタイルに合った資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 日本銀行情報サービス局「「生活意識に関するアンケート調査」(第99回<2024年9月調査>)の結果」
- 金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」
野平 大樹