4. 定年後の不安の理由はお金と健康に
長いだろう老後を考えると、いつまで働き続けるかは悩まれる方も多いでしょう。
パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関のJob総研では、606人の社会人男女を対象に「2024年 定年に関する意識調査」を行いました(2024年10月28日公表)。
同調査によれば、はたらく意欲を聞いたところ「定年前に辞めたい派」38.6%、「定年以降もはたらきたい」34.5%、「定年で辞めたい」26.9%。定年前に辞めたい人が多い一方で、定年以降もはたらきたい人も一定数おり、その差は約4ポイントでした。
定年後の不安の有無を聞くと「不安がある派」が80.6%で多くの人が不安を感じており、その理由として多い順に「生活費や医療費への不安」63.5%、「老後の生活設計」52.8%、「健康問題による活動の制限」41.3%、「医療費や寿命の心配」38.6%、「社会とのつながりの減少」28.4%などでした。
お金と健康に関する悩みが多く、また社会とのつながりといった社会への関わりも見られます。
長く働き続けることで、生活にメリハリがついたり、収入が入ったり、社会とのかかわりが継続したりといったメリットもあるでしょう。
一方でセカンドライフを悠々自適に暮らしたいという方もいますし、誰しもいつまでも働けるわけではないため、仕事の収入以外の備えが老後には重要となります。
5. 老後のお金の不安を減らすためにできることを考えよう
老後のお金の不安を少しでも減らすために、まずはご自身の公的年金の加入状況を確認したり、老後に向けて毎月一定額を積み立てる自動積立定期預金などを利用したりするとよいでしょう。
また、現代は新NISAやiDeCoといった、自身で老後に備えることができる制度もあります。
資産運用の場合、リスクがあるので情報収集を重ねてご自身で納得のいく運用をする必要がありますが、お金に働いてもらうことも可能です。
連休や年末年始など時間のある時に、老後対策に向けてまずは情報収取をしてみるといいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで」
- PRTIMES「Job総研『2024年 定年に関する意識調査』を実施 セカンドライフに経済不安8割 “一生はたらく”覚悟と悲鳴」
宮野 茉莉子