5. 高年収でも順調に貯蓄を進めるために(FPからのアドバイス)
高年収であっても、なかなか貯蓄が進まない世帯は少なくありません。
税金や社会保険料の負担が重いこと、公的支援が所得制限で対象外になること、子どもの教育費がかかること、一度上げた生活水準はなかなか落とせないこと、人付き合いが増えることなど、その要因はさまざまでしょう。
年収1000万越えの方が資産形成を順調に行うには、2つの考え方が存在しています。まず一つ目はご自身の支出を減らすことです。
この支出を減らすというのは、単に生活費や雑費を減らすだけではなく、税金面も重要になってきます。前述した通り、年収1000万越えの方は税金がかなり重くのしかかってきます。
給料から天引きされる税金について、しっかりと対策することで手取り額に影響します。
代表的な制度としては、iDeCo、住宅ローン控除、生命保険料控除の3つが挙げられます。
生命保険料控除においても、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の三つの枠組みをフル活用できているのか、今一度確認してみましょう。
2つ目として、年収1000万円超えの方は一括運用も選択肢に入ってくるでしょう。
資産運用というのは複利運用で雪だるまを転がしていくように行うと、運用効率が高くなります。一括運用を行い、最初の雪だるまの雪の核を大きめにしておくという視点になります。
しかし、知識がないままでいきなり一括投資をするのはリスクが高いものです。積立投資を含め、自分のリスク許容度を理解できた上で行うように心がけましょう。
年収が高い人こそ、日々の支出を減らし、今ある資産を有効活用することが大切です。
参考資料
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省統計局「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 転職サービスdoda「平均年収ランキング2024」
- 転職サービスdoda「転職サービス「doda」、「平均年収ランキング2024」を発表 正社員の平均年収は426万円で、2017年以降最高額に」
杉田 有毅