1.2 超富裕層~マス層:純金融資産保有額別にみた世帯数
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
一方「富裕層」と「超富裕層」世帯の保有資産は推計364兆円、全世帯の保有額合計(1632兆円)に占める割合は22.3%です。
ごく少数の「持てる世帯」に資産が集中していることから、富裕層たちの行動が日本経済に与える影響は小さくないと言えそうです。
ちなみに富裕層・超富裕層の世帯数は、同調査開始(2005年)以降最多となりました。次で詳しく見ていきます。
2. 富裕層・超富裕層の世帯数が増えている日本
同ニュースリリースによると、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の始動時期にあたる2013年以降、富裕層・超富裕層の世帯数は増加傾向が続いています。
2.1 純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移
また、富裕層・超富裕層世帯が保有する純金融資産総額も、右肩上がり傾向に。
- 2015年:272兆円
- 2017年:299兆円
- 2019年:333兆円
- 2021年:364兆円
2019年から2021年にかけては、両者の合計額は9.3%増えたことで364兆円となりました。
富裕層・超富裕層たちの世帯数や、彼らが保有する純金融資産総額が増えている背景の一つとして、株式などの資産価格上昇が挙げられます。
同社はこの要因を「富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したため」と分析。
資産形成や投資が促進されるなか、一部の投資家が大きな利益を得たことで、もともとは準富裕層だった世帯が富裕層に繰り上がるケースも見られます。
また一般的に、資産は親から子、さらに孫へと相続されるものです。少子化の影響により相続人となる子どもの数が減少し、その結果一人当たりの相続額が増加したことも影響していると考えられるでしょう。
もっとも、親や祖父母が資産家であるかどうかは、本人の努力で変えられるものではありません。
一方で、いわゆる「お金持ち」と呼ばれる人々の中には、ごく普通の家庭で育ちながら、自身の努力でキャリアを築き上げ、その結果として高収入を得るに至った人もいます。
次に「富裕層」の基準を保有資産ではなく「収入」に置き換えたうえで、世帯年収1500万円を超える「新富裕層(インカムリッチ)」の実態について詳しく見ていきましょう。
※準富裕層:純金融資産保有総額「5000万円以上1億円未満」の世帯