12月は年金支給月です。筆者は、金融機関に勤務していた経験から、高齢のお客様とお話をすることもありました。

特に、近年では「少ない年金で老後の生活が苦しい」という声が増えているため、年金生活者世帯への生活支援が重要な関心事となっていることも感じていました。

では、いまのシニア世代の年金事情はどうなっているのでしょうか。

「年金生活が厳しい」という話を耳にする機会は多いものの、具体的にどのくらいの年金額を受け取っているのかは、現役世代にとって意外とわからない部分が多いかもしれません。

今回は、現在のシニアの年金事情と、年金生活者を支援する「年金生活者支援給付金」について詳しく解説していきます。

1. 公的年金制度のしくみをおさらい

まずは公的年金のしくみについて、簡単におさらいしておきましょう。

【写真全8枚中1枚目】厚生年金と国民年金の仕組み、2枚目から年金一覧表&ねんきん定期便についてチェック!

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分:国民年金

  • 日本に住んでいる20歳以上60歳未満の方全員が対象
  • 保険料は一律
  • 40年間(480カ月)漏れなく納付すれば、将来満額の基礎年金が支給される

1.2 2階部分:厚生年金

  • 会社員や公務員、また一定の条件を満たす短時間労働者も加入対象
  • 保険料は収入に応じて決まる(上限あり)
  • 納付した保険料や加入期間に応じて年金額に個人差が出るため、収入が多いほど年金額も増える傾向にある

最近では、年金だけでは老後が不安だと感じる人が増え、iDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険、NISAなどを活用した私的年金を準備する人が増えています。

次章では厚生年金の平均年金月額について解説していきます。