2024年10月27日は第50回衆議院議員総選挙です。各政党や候補者は、今回の選挙の大きな争点である「物価」や「社会保障」に対する政策を様々な角度から取り上げ、有権者にメッセージを届けています。

政府は、物価高が続く中、給付金や定額減税などの対策を講じてきました。一方で、収入が増えないため家計の根本的な解決とはなっていません。

また、公的年金においては、2024年度は前年比2.7%の増額となり、2023年の物価上昇率を下回る水準であり実質的には増えているとは言えません。

世代を問わず厳しい状況が続いていますが、今回は老齢年金世代の暮らしをピックアップし、70歳代シニア世帯の平均貯蓄額や年金の平均月額について紹介していきます。

1. 70歳代夫婦世帯の貯蓄額の中央値はいくらかをグラフで確認…700万円

老後の主な収入源として、公的年金が一般的とされています。

一方で、安定した老後を送るためには、貯蓄が大きな役割を担うことも忘れてはいけません。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70代の二人以上世帯における平均貯蓄額は1757万円となっています。なお、中央値では、貯蓄額は700万円でした。

1.1 【平均値と中央値】70歳代・夫婦世帯の貯蓄額

  • 平均:1757万円
  • 中央値:700万円

1.2 【貯蓄額ごとの世帯割合】70歳代・夫婦世帯の貯蓄額

  • 金融資産非保有:19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%

金融資産を保有していない「金融資産非保有」、いわゆる「貯蓄ゼロ世帯」は全体の約2割にのぼります。

これらの世帯では、毎月の生活費をまかなうために十分な収入が必要となります。

老後の主な収入源は一般的に公的年金となりますが、月にどれほどの年金を受給できるのでしょうか。