2.2 2人以上でみる割合

2人以上世帯における貯蓄のない60歳代と70歳代の割合は、以下のとおりでした。

  • 60歳代:21.0%
  • 70歳代:19.2%

60歳代、70歳代ともにおよそ5世帯に1世帯が貯蓄のない世帯となりました。

単身世帯と同じく、貯蓄のある世帯とない世帯が二極化している状況です。では、高齢者は将来の生活についてどう感じているのか確認しましょう。

3. シニア世代の経済的な暮らしについて

内閣府が発表している「令和6年版高齢社会白書」によると、経済的な暮らしについて「まったく心配がない」「それほど心配がない」と感じている高齢者は、全体の68.5%でした。

将来の生活を心配している割合は31.2%と、あまり将来を不安視していない結果となっています。

シニア世代の経済的な暮らし

シニア世代の経済的な暮らし

出所:内閣府「高齢社会白書」

一方で、家計にゆとりがないと回答している割合は、全体の約88%でした。

つまり、約9割の高齢者が家計にはゆとりがないと実感しています。そのため、物価高や社会保険料の負担増が重なれば、将来の生活を不安視する高齢者も増える可能性があります。

貯蓄が少なく家計にゆとりのない世帯は、以下の方法で状況を改善できるように取り組みましょう。

  • ライフプランニングで将来的に必要な支出の確認
  • 不要な支出を減らすために保険料や固定費が削減できないかチェック
  • 少額でも資産運用や貯蓄に資金を回す

とくに、今後も物価高が予想されているので固定費の削減ができないか、最低でも半年か1年に1回は確認してください。

4. まとめにかえて

高齢者の貯蓄の実態や、将来の生活に向けてどのように感じているかを解説しました。高齢者は、貯蓄ができていない世帯とできている世帯に二極化している傾向となっています。

一方で、将来の生活を不安視していない割合は6割を超えていました。しかし、将来の生活がいつまで続くか分からないので、家計の見直しや貯蓄は継続的に行う必要があるでしょう。

参考資料

川辺 拓也