ここ最近続いているモノやサービスの上昇について、皆さんはどう感じていますか。
2024年10月10日に日本銀行が公表した「生活意識に関するアンケート調査」によると、「1年前と比べて、あなたの暮らし向きがどう変わったと感じますか」という問いに対して、約半数の人が「ゆとりがなくなってきた」と回答しています。
「ゆとりがなくなってきた」と回答した方のうち、約90%の方が物価の上昇を理由に挙げており、今の日本の状況を表した結果だと言えるでしょう。
今回は老後収入の柱である年金について、「厚生年金を月額10万円以上」受け取っている人はどれくらいいるのかをみていきたいと思います。
そして、記事の最後では、老後に向けたFPからのアドバイスもご紹介しますのでご覧ください。
1. 公的年金制度の基本をおさらい!自分はどの年金タイプを受け取れる?
日本の公的年金は、下記のように「国民年金と厚生年金」の2階建てになっています。
国民年金(1階部分)は、原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務があります。
保険料は一律で、納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まるのが特徴です。
一方で厚生年金(2階部分)は、公務員や会社員などが加入する年金保険で、収入に応じた保険料を支払います(上限あり)。
会社員として勤める方は、「厚生年金」に加入しているのが一般的ですが、将来受け取れる受給額は「加入期間」や「支払った保険料」によって変動します。
参考までに、次章にて「厚生年金の平均月額」を確認していきましょう。
2. 【全体・男女別】厚生年金の平均年金月額はいくら?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は下記のとおりです。
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
厚生年金全体の平均月額は14万3973円ですが、男女で大きな差があり、男性は約16万円に対し、女性は約10万円と、約6万円の差が生じています。
もし年金を毎月の生活費に充てる場合、月額10万円台では「生活が厳しい」と感じる方も少なくないでしょう。
では、月額10万円台の年金を受給している人はどのくらいいるのでしょうか。
次章では、厚生年金で「月額10万円以上」を受給している人の割合について詳しく見ていきます。