2024年9月15日に総務省統計局が公表した「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上の高齢者数が3625万人で総人口に占める割合の29.3%と過去最高水準であると発表しました。
ちなみに、高齢者比率は世界200か国・地域で最も高い水準と言われています。
高齢者比率の水準は今後も上昇傾向にありますので、超高齢化社会が進む中、社会保障制度や年金問題など、「お金」に関する問題が今後はさらに加速していくでしょう。
社会保障制度はどうなっていくのか、年金はもらえるのか、年金だけで生活できるのか。不安が高まる人も少なくないのではないでしょうか。
現代の60歳世帯が貯蓄がどれくらいあるのか、老後に受け取る年金額と合わせて確認できる記事となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 60歳代のおひとりさま世帯の平均貯蓄額はいくら?
まずは、60歳代のおひとりさま世帯の平均貯蓄額を見ていきましょう。
今回は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、内訳と平均・中央値を見ていきます。
上記調査によると、60歳代のおひとりさま世帯の平均貯蓄額は「1468万円」となりました。
一方で、より実態に近い値とされる中央値は「210万円」で、平均値と1000万円以上の差が生じています。
この平均値と中央値の大きな乖離があるということは、一部の裕福な人々が平均を釣り上げているということです。
では、同調査より60歳代のおひとりさま世帯の貯蓄割合も見ていきましょう。
- 金融資産非保有:33.3%
- 100万円未満:8.5%
- 100~200万円未満:4.7%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.4%
- 500~700万円未満:3.5%
- 700~1000万円未満:2.8%
- 1000~1500万円未満:6.6%
- 1500~2000万円未満:4.5%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:15.1%
貯蓄3000万円以上の世帯が15.1%である一方、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)の人が全体の3分の1を占めています。
さらに、全体の半分近くの人は貯蓄が200万円以下という状況であり、2人に1人が貯蓄がほとんどない状態で老後生活をスタートさせようとしている現状がうかがえます。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
では、老後の大きな収入源である年金はどれくらいもらえるのでしょうか。
次章では、60歳代の平均的な年金受給額を「国民年金と厚生年金」それぞれで見ていきましょう。