5. 働くことが経済的なゆとりに繋がる?60歳代で経済的にゆとりがある人の割合
内閣府「令和6年版 高齢社会白書」より、経済的な不安を感じているシニアの割合を見ていきます。
65~69歳のシニアのうち、34.3%が「家計にゆとりがなく、多少心配である」または「家計が苦しく、非常に心配である」と回答しています。
一方で、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と回答したシニアは56.5%で、半数以上を占めています。
このことから、多くのシニアが現実的な生活費を把握しており、限られた資金でもやりくりできるように工夫していることがうかがえます。
働きながら年金を受給するシニアが増えている中で、何事もまずは「健康であること」、つまり「体が資本」です。
健康に留意しながら、無理せず老後資金を確保できる方法を考えていきましょう。
6. まとめにかえて
これまで、60歳代の単身世帯の貯蓄事情や年金受給額、就業率と老後生活に関するアンケートをもとに、シニア世代のリアルを覗いてきました。
前述のとおり、経済的にはゆとりは感じていないものの、心配なく暮らしている割合の方が多いようです。限りある資金で、日常生活を創意工夫されていることがわかります。
筆者は普段の業務で様々な世代から「お金」に関する相談を受けます。最近は、現役世代・シニア世代共に、新NISAに興味を示されている方が圧倒的に多いです。
老後生活の資産形成のために投資を始めることは重要ですが、投資における「リスク」についてもしっかりチェックしておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「高齢者雇用対策の概要」
- 内閣府「令和6年度版 高齢社会白書」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」(2024年7月26日公表)
入慶田本 朝飛