今回は、「年金生活者支援給付金」についてご紹介します。
この給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方を対象に、生活支援のため年金に上乗せして支給されるものです。対象者には9月以降、郵送で案内が届き、申請手続きが完了した方は10月分の年金(12月支給分)から上乗せされます。
年金を受け取っている高齢者の方にとって、「自分が対象になるのか」「受け取れる金額はどれくらいか」と気になる点も多いかと思います。
この記事では、年金生活者支援給付金の対象者、給付額、手続きについて詳しく解説します。
また、詳細を確認した後は、シニア層の年金受給額の実態についても解説していきます。
現役世代の皆さんには、現在の年金事情を知ることで、今後の老後準備について考えるきっかけにしていただければと思います。
1. 年金生活者支援給付金の基準額【月額いくら?】
年金生活者支援給付金は「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」それぞれの受給者によって給付基準額が異なります。
2024年度の年金生活者支援給付金の給付基準額は下記のとおりです。
【年金生活者支援給付金の給付基準額(月額)】
- 老齢年金生活者支援給付金:5310円
- 障害年金生活者支援給付金:1級 6638円、2級 5310円
- 遺族年金生活者支援給付金:5310円
老齢年金生活者支援給付金の支給要件を満たす場合、ひと月約5000円、年額にすると約6万円が支給されます。
この給付金は世帯単位ではなく「受給者ごと」に支給されます。夫婦2人が支給要件を満たす場合、年間で約12万円が受け取れることになります。
ただし上記はあくまで「給付基準額」。実際の給付額は年金保険料納付済期間等に応じて計算されるため、全員一律ではありません。次ではその計算方法について整理しましょう。