住まいの購入は、人生の中で大きな投資の一つです。せっかく住まいを購入するのであれば、できるだけ資産価値が下がりにくい物件を選びたいものです。

住まいの資産価値とは、物件が持つ経済的な価値のことを指します。この価値は、住まいの立地や建物の品質、周辺環境などによって左右されます。例えば、都心部や利便性の高い場所に位置する物件は、一般的に資産価値が高くなる傾向があります。

今回は、マンションにフォーカスを当て、全国の不動産会社を対象に実施した調査をもとに、資産価値が下がりにくいマンション選びのポイントを詳しく解説します。

1. 新築マンション購入者の約6割が、購入した当時から売却・貸出を想定

近年、住宅の価格は上昇傾向にあり、その資産価値が重視されるようになっています。特に一戸建てに比べマンションを購入する人は、購入時に売却や貸出も考えて購入している人が多いです。

2022年にアットホームが住宅を購入した人を対象に実施した調査では、「購入した当初から売却・貸出を見据えていた」と回答した人が、新築マンションで60.1%、中古マンションで46.1%でした。

一般的に、一戸建てよりマンションの方が資産価値は下がりにくく、売却しやすいと言われています。転勤やライフスタイルの変化などがあることが予想され、定住するかどうか分からないという場合に、売却・貸出を見据えてマンションを購入する人も多いようです。

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出所:アットホーム株式会社「2022年10月 『住宅購入のプロセス&マインド』調査」

2. <条件・設備編>資産性の高いマンションのポイント

では、資産価値が下がりにくいマンションにはどのような特徴があるのでしょうか?

不動産のプロである不動産会社を対象に実施した調査をもとに、条件・設備編と周辺環境編に分けて、その特徴を見ていきます。

2.1 <条件・設備編:1位>管理状況

資産性の高いマンションかどうかを判断する上で重要な条件・設備は、「管理状況」がトップでした。

マンションにはエントランスやエレベーターなどの共有部分がありますが、エントランスやゴミ捨て場、駐車場などの共用部分の清掃やメンテナンスが行き届いているか確認することをおすすめします。また、どんな管理会社が入っているかどうかも重要なポイントです。

不動産会社からも、「管理が悪い建物は将来的に価値が低くなる」「可能であれば過去の大規模修繕履歴情報や、これから予想される大規模修繕を確認しておきたい」などのコメントが多く上がりました。

2.2 <条件・設備編:2位>修繕積立金が適正である

修繕積立金が適正かどうかも重要なチェックポイントです。不動産会社からは、「管理費が著しく安く設定されている物件は、将来価値が落ちる可能性があるため注意が必要」というコメントが寄せられました。

修繕積立金・管理費が適正かどうかを判断する際は、今後の修繕計画などをしっかりと確認すると良いでしょう。

修繕積立金が十分に積立されていないと、いざ修繕が必要となった際に、大きなお金がかかってしまうこともあります。マンション購入の際は、いつ修繕する予定なのか、それに対して十分な積立金があるかどうかもしっかり調べましょう。

2.3 <条件・設備編:3位>外観や内廊下がメンテナンスされている

外観や内廊下のメンテナンス状況も、マンションの資産価値に大きく影響します。内見の際、外壁は修繕が必要なところが放置されていないか、内廊下にゴミや住民の所有物が放置されていないかなどを確認すると良いでしょう。

「見た目も価値に影響する」という不動産会社も多く、住まいの中だけではなく、外観や共有部分がしっかりと維持管理されているかが資産価値の維持につながりそうです。

そのほか、トップ10に「眺望・日当たりが良い」「耐震性」「築年」などがランクインしました。間取りや設備はリフォーム・リノベーションで変えることができますが、眺望や共有部分などの変えられない部分にもしっかりと目を向けてマンションを選ぶことが大切です。

不動産のプロからは資産性が高いマンションを選ぶコツとして以下のようなアドバイスがありました。

ローンを払い終えても修繕積立金、管理費や駐車場代等を払い続ける必要があるので注意が必要です。
古くなれば土地の持ち分が少ない分、戸建に比べて資産価値が落ちるケースも多いので、それをカバーできる管理状況や、共用部分の清潔さが重要です。
耐震性が重要なのと、修繕費などのランニングコストが高いと売却する際に難しくなるケースが多いです。

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出所:アットホーム株式会社「不動産のプロに聞いた!「資産性の高いマンションか見極めるポイント」ランキング」