年収の壁を気にせず扶養を外れて働けば、年収を自由に調整できる反面、「税金や社会保険料で損をする」と不安に感じる方もいるでしょう。
では、年収がいくらであれば、損をせずに効率よく働くことができるのでしょうか。
本記事では、扶養を外れて働く場合の損をしない年収目安について紹介していきます。
扶養の仕組みや、意識するべき年収の壁についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. そもそも「扶養内で働く」とは、どういうこと?
まずは、「扶養の仕組み」からおさらいしていきましょう。
扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり、それぞれ下記の内容に関わる扶養となっています。
- 税法上の扶養:所得税や住民税などの控除に関与
- 社会保険上の扶養:健康保険料や年金保険料などに関与
税法上の扶養に入ることで、扶養されている人の税金が軽減され、配偶者の税負担も控除により軽くなります。
また、社会保険上の扶養に入ると、健康保険料や年金保険料が免除されるといった恩恵を受けられます。
ただし、これらの扶養のメリットを受けるためには、一定の収入基準を下回る必要があります。
1.1 「扶養を外れて働く」とどのような問題がある?
前述したように、扶養に入って税金や社会保険料の負担を軽減するためには、被扶養者の収入を抑える必要があります。
しかし、被扶養者の収入が一定の基準を超えると、扶養者が受けていた控除が減り、場合によっては扶養から外れてしまい、結果的に税金や社会保険料の負担が増えることになります。
つまり、扶養者の控除が減るだけでなく、被扶養者の収入からも税金や社会保険料が天引きされるため、手取りが減少するのです。
これがいわゆる「年収の壁」と呼ばれるもので、税金や社会保険料の負担を抑えるために、年収を一定のライン以下に抑えて働いている人が多いのが現状です。
上記をふまえ、「扶養を外れて働きたい」と考えている場合、各年収の壁を超えることで発生する税金や社会保険料について理解しておくことが重要です。
次章では、扶養から外れて働く際に知っておきたい「年収の壁」の種類について確認していきましょう。