4. FPからのアドバイス「老後に向けて」
今回は60歳代・70歳代の「二人以上世帯」の貯蓄事情を見ながら、平均・中央値、貯蓄3000万円超世帯の割合などを確認しました。
ここで注目すべきは、貯蓄3000万円超世帯ではなく、60歳代・70歳代の金融資産非保有・100万円未満の割合が20%以上いることです。
人生100年時代と言われている昨今で、貯蓄がない状態では、長い老後生活を送るには心もとないと言わざるを得ません。
いくら年金がもらえるとはいえ、年金だけで生活できる人は多くありません。
やはり、老後に向けての準備は早いうちにしておいたほうがいいでしょう。若いうち、働いているうちにどれだけ準備できるかで老後の未来は大きく変わります。
貯蓄ももちろん大切ですが、貯蓄では間に合わないケースも多々あります。
そこで「資産運用」を検討する方もいるでしょう。前述のとおり、積立投資を活用するのであれば、運用期間を長くするほど資産を効果的に増やせる可能性があります。
一方でリスクを伴うことも忘れてはなりません。資産運用は始めればいいというわけではなく、まず自分に合っているのかを知ることが大切です。
資産運用の第一歩として、どんな資産運用があるのかなど調べてみることから始めてみるといいかもしれませんね。
4.1 【参考】貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
60歳代・二人以上世帯
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:6.1%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:3.3%
- 300~400万円未満:3.2%
- 400~500万円未満:3.4%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:6.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.7%
- 2000~3000万円未満:8.8%
- 3000万円以上:20.3%
70歳代・二人以上世帯
- 金融資産非保有:18.7%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.5%
- 700~1000万円未満:6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上:18.3%
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)10月分(2024年11月22日公表)」
大庭 新太朗