「富裕層」の一般的な定義はありませんが、「純金融資産の保有額が1億円以上」の方は富裕層に該当するといわれています。

1億円の資産を築くためには、収入が多いのはもちろん、リスクを取って資産運用をする必要があるのが一般的です。

今回は、富裕層に該当する世帯の割合や1億円の資産を築くために意識すべきことを解説します。

1. 純金融資産1億円以上の世帯は2%~3%程度

野村総合研究所が行った報告によると、2021年の日本において「純金融資産1億円以上」の富裕層に該当する世帯数の推計は148万5000世帯でした。

世帯数から換算すると、富裕層に該当する割合は2%程度となります。

なお、純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数は以下のとおりです。

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯

なお、2021年の富裕層・超富裕層の合計世帯数は、推計を開始した2005年以降最多となっています。

富裕層・超富裕層の世帯数が増加した理由として考えられるのは、株式市場が堅調に推移したことです。

株式をはじめとした保有している資産価格が上昇したことで、準富裕層の一部が富裕層に移行したと考えられています。

資産形成期にある現役世代の方は、預貯金だけで資産の積み上げを目指すよりも、自分のリスク許容度の範囲内で投資を行うとよいでしょう。

2. 資産を増やすためのコツ

資産を増やすためには、「収入を増やす」「支出を減らす」「運用利回りを高める」という3つの手段があります。

現役世代の方が資産を増やすために、心がけるべきことを詳しく解説します。

2.1 人的資本を活かす

人的資本は、自らの知識やスキルをイメージするとよいでしょう。

知識やスキルを向上させて、より多くの付加価値を生み出せる人材になれば、より多くの収入を得られる可能性が上がります。

せっかく高い人的資本を有していても、労働市場に投下しなければ収入は得られません。

端的にいえば、雇用形態に関係なくできるだけ長く働いて収入を得ることが、資産を増やすうえで効果的です。

具体的に人的資本を高める方法として、経験を積んで専門性を高めたり、資格を取得したりして自分の人材価値を高める方法が考えられるでしょう。

2.2 リスクを取って資産運用する

低金利の状況が続いている日本では、預貯金だけで資産を増やすのは現実的ではありません。

リスクを取って資産運用することは、資産を効率よく増やすうえで重要です。

特に、NISAとiDeCoは長期的に資産形成をするうえで選択肢のひとつとなる制度です。

いずれも運用益が非課税になる税制優遇があるため、一般的な投資よりも有利に資産形成を進められます。

NISAのメリットとは?2/2

NISAのメリットとは?

出所:金融庁「NISAを知る」

資産運用にはリスクが伴うとはいえ、商品によっては年率5%以上のリターンを得られる可能性もあります。

税制優遇がある制度を活かしながら、無理のない金額で資産運用を始めることは、効率よく資産形成を進めるうえで有意義でしょう。

2.3 金融リテラシーを高める

金融リテラシーとは、端的にいうとお金に関する知識です。

家計管理だけでなく、一般的な投資の期待リターンや税制、社会保険制度など広範にわたります。

金融詐欺は後を絶ちませんが、金融リテラシーがあれば大切な自分の資産を守れます。

例えば、投資に関してリスクとリターンは比例することを理解していれば、「元本保証で年率10%」という金融商品を提案されたときに、違和感を覚えることができるでしょう。

「リスクが低く、リターンが高い=ローリスク・ハイリターン」という金融商品は存在しません。

この大前提を抑えておけば、資産を詐取されてしまうリスクを軽減できます。

また社会保険制度を理解すれば、ケガや病気をしたときにどのような給付を受けられるのか、年金生活に突入したらどの程度の年金を受け取れるのかをイメージできます。

いずれも万が一の事態に備えられるだけでなく、生活設計を考えるうえで欠かせない知識です。

3. まとめにかえて

1億円以上の資産を形成するのは簡単ではありませんが、人的資本を高め、リスクを取って資産運用すれば資産を効率よく増やせる可能性があります。

野村総合研究所は、富裕層・超富裕層の世帯数が増加した理由として「株式市場が堅調に推移したこと」を挙げています。

つまり、元本割れが起こるリスクを理解したうえで、資産運用を行うことは有意義といえるでしょう。

また、自分自身でもお金に関する学習をして金融リテラシーを高めることも欠かせません。

資産を増やすだけでなく、守ることにも意識を向けて資産形成に励みましょう。

参考資料

柴田 充輝