4. 老後に「低年金」になる3つの理由と対策方法

本章では、老後に受け取る年金が少なくなってしまう理由と、その対策方法について詳しく紹介していきます。

4.1 低年金になる理由1:厚生年金の加入期間が短い

厚生年金に加入していると、国民年金よりも受け取る年金額が多くなりますが、加入期間が短いとその分、上乗せされる金額が少なくなります。

前述の通り、厚生年金の受給額は、現役時代の「年収」と「加入期間」によって決まるため、たとえば「1年だけ会社員として厚生年金に加入していた」という場合、年金額の増加はあまり期待できません。

また、厚生年金の受給額は、現役時の収入によっても異なるため、収入の多さも大きな要因となります。

参考までに、厚生労働省の資料「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」によると、加入期間が40年の場合の収入別のモデル年金例は次のとおりです。

4.2 【加入年数を40年とした場合の厚生年金額(国民年金を含む)】

  • 現役時の報酬が54万9000円:年金額18万6104円
  • 現役時の報酬が43万9000円:年金額16万2483円
  • 現役時の報酬が32万9000円:年金額13万8862円
  • 現役時の報酬が37万4000円:年金額14万8617円
  • 現役時の報酬が30万円:年金額13万2494円
  • 現役時の報酬が22万5000円:年金額11万6370円
  • 現役時の報酬が14万2000円:年金額9万8484円

現役時の月収が14万2000円の人と54万9000円の人では、受け取る年金額にかなりの差が出ることがわかります。

このように、厚生年金の場合、年金額は現役時代の収入と加入年数によって大きく変動します。

そのため、「高収入で長期間加入し続ける」ことが、将来の年金額を増やすためには非常に重要です。