4.4 低年金になる理由3:年金の不整合記録問題

年金の不整合記録がある場合、低年金や無年金のリスクがあるため注意が必要です。

「3号不整合記録問題」とは、第3号被保険者が扶養から外れる際に、手続きが不完全であるために年金額が減少したり、支給されなくなったりする問題です。

国民年金は、加入者を「第1号〜第3号被保険者」に分けて管理されています。

国民年金は「第1号被保険者〜第3号被保険者」に分類

国民年金は「第1号被保険者〜第3号被保険者」に分類

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

「第3号被保険者」は、主に公務員や会社員に扶養されている配偶者であり、個別に年金保険料を支払う必要はありません。

しかし、扶養から外れたり、離婚などの理由で第3号被保険者の資格を失った場合、その人は「第1号または第2号被保険者」として扱われ、年金保険料を自分で支払う必要が生じます。

この手続きが遅れると、「年金保険料の未納期間」が発生し、その結果、年金額が減額される可能性があり、最悪の場合、受給資格期間を満たせず、年金が一切支給されない事態になるおそれもあります。

「3号不整合記録問題」に該当する場合、政府による救済措置があるため、早急に年金事務所に相談し手続きを行うことが重要です。

5. 年金だけに頼らない?iDeCoやNISAで老後対策を

これまで、老後に受け取る年金が「少なくなるかもしれない人」の特徴と、その対策について詳しく見てきました。

将来的に年金がちゃんともらえるかどうか、誰にも分からない時代になっています。

だからこそ、今のうちから年金だけに頼らない老後の資金づくりを考えることが大切なのです。

具体的には、今話題の新NISAやiDeCoなどが、老後の生活資金を準備する方法としてあります。

ただ、これらは資産運用なので、預貯金よりも増える可能性もあれば、減ってしまうリスクもあります。

いきなり大きな金額だと不安な場合は、まずは少額から始めてみるという方法もあります。

しっかり情報収集して、どうやって運用するかを考えてみるのもいいかもしれませんね。

さらに、自分が将来受け取る年金額が気になる方は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」をチェックしてみましょう。自分の年金見込額が確認できるので、現実的な老後の計画が立てやすくなるでしょう。