2024年10月15日、衆議院選挙が公示され、27日には投開票が実施されました。
いくつかの政党が政策として「物価高への支援」や「低所得世帯への支援」を訴えているように、長引く物価高への注目が高いことがうかがえます。
物価高対策の一環として、定額減税がスタートしています。住民税への影響は10月支給分からのため、10月15日の受給分が変動した方も多いでしょう。
年金については現職時代のお給料と同様に、総支給額から天引きされるお金もあります。そのため、ねんきん定期便などで把握していた金額と違うことには注意が必要です。
年金は老後の収入源ですが、実際に受け取るまで、年金について学ぶ機会は多くありません。
そこで今回は、老後の収入源である年金について、仕組みや制度について解説を行い、老後のお金事情について考察を行います。
1. 日本の公的年金制度のしくみ
「年金制度は2階建て」などと言いますね。これは、日本の公的年金は2つの年金制度(国民年金・厚生年金)から構成されているためです。
まずは、国民年金・厚生年金それぞれの制度の概要について整理しておきます。
1.1 【1階部分】国民年金
1階部分にあたる国民年金は基礎年金とも呼ばれる、年金のベースとなる部分です。
国民年金の加入者
国民年金の加入者は原則として、20歳~60歳未満の日本に住む全ての人です。また、被保険者は、さらに働き方や立場などにより、下記の3つに分類されます。
- 第1号被保険者:20歳以上の学生や自営業者など
- 第2号被保険者:会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
国民年金の保険料
国民年金保険料は全員一律で、2024年度の月額は1万6980円です。20歳~60歳までの40年間(480カ月)、全期間分の保険料を納めると、老後は満額の「老齢基礎年金」を受け取ることができます。未納期間がある場合は、その月数に応じて満額から差し引かれます。
ただし、国民年金保険料を自分で支払うのは「第1号被保険者」のみ。会社員や公務員など第2号被保険者は、国民年金に上乗せする形で厚生年金に加入し、厚生年金の保険料を給与からの天引きで納付します。厚生年金の保険料以外の保険料負担は不要です。
また、第2号被保険者に扶養される配偶者である「第3号被保険者」も、国民年金保険料を個人で納める必要はありません。