コロナ禍以降、世界的な物価高や金利の上昇、それらに伴う円安の進行などから、われわれの日々の生活状況も刻一刻と変化しています。
現役世帯はもちろん、すでに年金生活に入っている高齢者世帯にとっても、限られた収入の中で少しずつ生活費が増してきていることで、負担感を感じる人も多くなってきたようです。
2024年10月10日に日本銀行が公表した「生活意識に関するアンケート調査」によると、一年前と比べて「ゆとりがなくなってきた」と回答する人が約52%、同じく支出が増えたと回答する人が56.4%となっており、8割以上の人が今後も物価が上がっていくだろうと回答しています。
なお、回答者の約4割が60歳以上の高齢者となっているため、年金生活世帯の実情も一定程度反映している調査と言えます。
これを機会に、そもそもの年金制度の概要と平均的な年金受給額を確認していきます。
現役世帯の人も、将来の参考としてぜひ読み進めてみてください。
1. 【2024年に実施済】年金受給者が知っておきたい「定額減税」とは
定額減税とは、所得税が最大3万円、住民税が最大1万円減税されるもので、2024年限りの施策です。
年金は4月、6月、8月、10月、12月、2月の2ヶ月ごとに支給されますが、これらから所得税や住民税が天引きされており、今年はそのうち最大4万円が減税されます。
所得税については、6月分の支払いから減税が適用されていました。
1回あたりで所得税を3万円支払うシニアは多くないため、減税しきれなかった分は8月、10月と繰り越されていきます。
また、上限分を減税しきれないと予想される方には、別途調整給付金が支給されます。
さらに、10月支給の年金からは、「住民税」の定額減税が適用されています。
もし1度に減税できなかった場合、所得税と同様に12月支給以降の年金からも住民税の減税が適用されます。
また、10月支給の年金手取り額が変わる要因は、定額減税以外にも存在します。