4. 老後への備えは早めに動くのが吉
今回は、年金制度やその受給額について現実的な情報をお伝えしました。将来どれくらいの年金を受け取れるかを把握するためには、「ねんきん定期便」を確認することが大切です。
年金見込み額が分かれば、それに足りない分の老後資金を逆算して準備することができます。まずは、毎月の預金で十分な老後資金を準備できる場合を考えましょう。しかし、最近の物価上昇を考慮すると、お金の価値が目減りしているため、予想よりも多めに準備しておくことが求められます。
また、病気やケガで働けなくなったときに備えて、最低限の保障も考えておくべきです。収入が高くても、状況によっては大きな収支の変動リスクがあるため、守りをしっかりと固めておくことが重要です。
もし、毎月の積立預金だけでは老後資金が十分に準備できない場合は、資産運用を取り入れてお金に働いてもらう必要があります。資産運用はリスクを伴いますが、適切な運用方法を選べばリスクを抑えることも可能です。そのためには、早めに始めて時間を味方につけることが大切です。
まだ資産運用を始めていない方も、この機会に老後資金の準備として資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
4.1 【ご参考】厚生年金保険(第1号)の平均年金月額(全年齢)
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
4.2 【ご参考】国民年金の受給額(全年齢)
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
4.3 【ご参考】現役時代の収入ごとの年金例
- 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
- 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
- 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
- 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
- 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
- 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
- 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
- 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
- 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
- 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
- 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
- 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
- 夫が32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
- 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
- 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
- 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 人事院「年金制度の概要」
- 企業年金連合会「第一号厚生年金被保険者」
- 厚生労働省「第17回社会保障審議会年金部会の開催」
堀江 啓介