6. 老後準備は早めに取り掛かろう
本記事では、年金の受給額や年金から天引きされるお金について解説しました。年金額は現役時代の働き方や加入期間により異なり、基本的に年金のみで老後生活を支えるのは厳しい場合が多いです。
誰しも老後はゆとりを持って過ごしたいと思うもの。そのため、年金に依存しすぎず、自助努力での準備が大切です。具体的には、資産運用で効率的にお金を増やすことや、予期せぬ出費に備えて保障を準備することが効果的です。
少額から積み立てができる「NISA」や「iDeCo」などの税制優遇制度を活用すれば、効率的な資産形成が可能です。ただし、これらの制度で購入する金融商品には市場の動向に左右されるものが多く、元本が減る可能性もあることに留意してください。
また、保険や保障を整えることで病気やケガによる大きな出費を抑えられ、安定した資産運用が続けやすくなります。
理想の老後を実現するために、早めに自分に合った運用方法と保障を見つけておきましょう。
7. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。
7.1 年金の主な種類と仕組みは?
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金保険」の2階建て構造になっています。
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金保険は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金保険は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。
7.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?
年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。
例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。
7.3 年金を増やす方法はあるのか?
年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。
また、厚生年金保険に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。
さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から2.7%の引上げです~ 」
- 日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
川勝 隆登