昨今、国際的な原材料価格の上昇や、円安による海外からの輸入コストの増加により、物価上昇が加速しています。
そんな物価高騰による負担感が大きい世帯への支援として、2024年度に新たに住民税非課税世帯等に対して、1世帯当たり10万円を給付が決定しました。
住民税非課税世帯等とは、どんな方が該当するのでしょうか。今回は対象世帯の具体的な年収目安や、非課税住民税世帯の年代別の割合などを確認していきたいと思います。
最後には老後対策についても言及しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 「住民税非課税」に該当する所得目安はいくらか
住民税の税額は、前年の所得をもとに決められます。所得がゼロだった場合や一定以下だった場合には「非課税」となります。
各種助成などの対象基準としてしばしば登場する「住民税非課税世帯」とは、世帯全員が住民税非課税となる世帯のことです。
この「住民税非課税」となる条件は、各自治体ごとに異なります。ここでは一例として、今回は東京23区内における条件を確認します。
1.1 東京都23区内「住民税非課税」の該当条件(所得等)
(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」の目安は所得45万円以下。ただし所得は収入から各種控除を差し引いた後の金額。「年収いくら」と言われたほうがイメージしやすい人もいるでしょう。
次では、住民税非課税世帯となる目安を「収入ベース」で見てみます。
2. 「住民税非課税」に該当する年収の目安はどれくらい?
「所得」よりも「収入」のほうがイメージしやすい!というみなさんのために、「住民税非課税」に該当する条件を収入換算でも見ていきます。
さきほども触れましたが、住民税非課税となる基準は自治体がそれぞれ定めているものです。今回は例として、東京都武蔵野市の場合で確認してみましょう。
2.1 住民税非課税世帯に該当する年収(武蔵野市のケース)
東京都武蔵野市では住民税非課税世帯に該当する年収を、以下のように定めています。
- 給与収入のみ:100万円
- 年金収入のみ(65歳以上):155万円
- 年金収入のみ(64歳以下):105万円
- その他の収入:合計所得金額が45万円
武蔵野市の場合、住民税非課税となる収入の目安は、給与収入であれば100万円。これが、一般的な年金開始年齢である65歳以上の場合、年金収入のみであれば「155万円」にまで上がります。
こうなると、シニアの年金世帯ほど、住民税非課税に該当しやすいということになりそうですね。そこで次では、住民税非課税世帯の数やその割合を「年代別」に見ていきましょう。