5.2 70歳代・二人以上世帯「平均貯蓄額&個人差」を見る
70歳代・二人以上世帯についても見ていきます。
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
平均:1757万円
中央値:700万円
70歳代・二人以上世帯の貯蓄額は1757万円、中央値は700万円。単身世帯と比較すると、それぞれ200万円程度高くなっていますね。
分布を見ると、100万円未満の世帯が24.8%、2000万円以上を保有する世帯も同程度の27.1%となっています。ここでも、世帯の貯蓄格差が如実に表れていると言えるでしょう。
公的年金では足りない部分を貯蓄でカバーできている年金世帯は、決して多数派ではないことが推測されます。
健康面などで不安ごとが増えるシニア世代にとって、住民税非課税世帯等を対象とする各種給付金は、一時的な措置であっても家計を助ける大切な支援であると言えそうです。
6. 物価上昇を見越した資産準備を
今回は、10万円給付金の対象となる住民税非課税世帯の年収や年代別の割合について確認しました。
特に年金生活を送っている世帯が多い70歳代の金融資産非保有割合を見て、意外と多くの高齢者が資産を持たずに厳しい生活を送っていることに驚かれた方もいるのではないでしょうか。
住民税非課税世帯の中にも多くの高齢者が含まれており、生活の厳しさを感じている人も少なくありません。
今回の10万円の給付は一時的な助けにはなるものの、根本的な問題解決には至っていません。
今後、物価がさらに上昇すると、現役世代にとっても生活費の負担は増していくでしょう。
こうした物価上昇も見越して、早めに老後資金の準備を始めておきたいところです。現代の日本は低金利が続いており、預貯金だけでは資産が増えにくい上に、物価上昇によって実質的な資産価値が目減りする可能性もあります。そのため、資産運用を活用し、しっかりと老後に備えていくことが重要です。
新NISAやiDeCo、個人年金保険など、老後の資金形成に役立つ選択肢はいくつかあるため、自分に合った方法を見つけることがポイントです。安心した老後を迎えるために、まずはできることから始めてみてはいかがでしょうか。
※金額や要件などは自治体等によって異なるので、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 武蔵野市「所得税は非課税でしたが住民税は課税になりました 非課税となる基準が異なりますか」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
菅原 美優