3.1 在職老齢年金での支給停止額シミュレーション
50万円を超えた場合、超えた金額の半分が支給停止となります。たとえば、年金の基本的月額が15万円、総報酬月額が40万円の場合で支給停止額を計算しましょう。
- 支給停止額:(15万円+40万円-50万円)÷2=2万5000円
2万5000円が、厚生年金の受給額から減額されます。在職老齢年金の制度について検討されているのは、以下の2点です。
- 適用要件の一部を改正
- 制度の廃止
適用要件の一部を改正する案は、在職老齢年金が適用される50万円の上限額を引き上げる案です。もしくは、制度そのものを廃止する案も検討されています。
在職老齢年金の仕組みは、何度か改正されています。どちらの案になるかは分かりませんが、在職老齢年金の制度が変われば、高齢者にとっても働きやすい環境となるでしょう。
今後も、働く高齢者の割合が増え続ける可能性が高まります。
4. まとめにかえて
高齢者の生活実態や、年金をとりまく制度の改正について解説しました。物価高騰に年金受給額が追いつかず、働きながら家計を支えている高齢者も多いでしょう。
今後も、高齢者をとりまく生活状況の改正には注目が集まります。
参考資料
- 東京都「敬老の日にちなんだ東京都の高齢者人口」
- 内閣府「高齢社会白書」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
川辺 拓也