厚生労働省が発表している「高年齢者雇用安定法の改正」によると定年を70歳までに引き上げる努力義務などが記載されています。
義務ではありませんが、2025年4月からは希望者に対しては65歳までの雇用を確保するよう求められます。
日本では「人生100年時代」と長い老後が想定されています。長く生きるためにはお金も必要となるため、老後のお金事情には注目が集まります。
年金だけで生活ができれば良いのですが、長く働くための環境整備を見ると、年金だけで生活を送ることは難しいのかもしれません。
そこで今回は、実際に年金を受け取っているシニア世帯に注目し、年金の受給額や生活費から老後の金銭事情について深堀りしていきます。
1. 老齢年金受給世帯の約6割は「年金だけで生活できない」現実
厚生労働省が2024年7月に公表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の高齢者世帯は41.7%。全体の半数にも満たない結果となりました。
老齢年金を受給する世帯の約6割に、公的年金以外の収入源があるということですね。公的年金では足りない部分を、勤労収入や不労所得、仕送りなどでカバーしている世帯が多いことが推測されます。
そこで気になるのが、いまのシニア世代がひと月どの程度公的年金を受け取れているのかという点。次で詳しく見ていきましょう。