10月7日、Job総研(パーソルキャリア株式会社)が実施した「2024年 日本経済の意識調査〜少子化編〜」の結果が公表されました。
同調査は20歳代~50歳代の社会人男女292人に対して行ったもので、「子ども1人を育てるのに必要な年収」について聞いたところ、回答者の平均値は831万円となったようです。
今回は、同調査結果の内容についてご紹介するとともに、全給与所得者のうち年収800万円以上の方が占める割合について解説します。
1. 子どもを持つことを「考えている派」は65.4%
回答者全体の292人のうち、将来子どもを持つことを考えている方の割合は65.4%となっており、年収が高いほどその割合は高くなっています。
将来子どもを持つことを考えている方の割合は、年収200万円未満は44.8%であるのに対し、年収800万円以上になると80.4%まで増加してることがわかります。
2. 子どもを持つ場合、経済的に「不安がある派」は85.6%
回答者全体の292人に対し、子を持つ場合の経済不安の有無を聞いたところ「不安がある」と答えた方の割合が85.6%と大多数を占めたそうです。
学費や教育費、家族の生活費などに不安を感じており、昨今の物価高も大きく影響しているようです。
3. 子1人育てるのに必要な収入は?回答者の平均値は831万円
学費・教育費を払える自信を聞いたところ「自信はない派」が64.1%で過半数を占め、「全く自信はない」が27.1%、「自信はない」が16.1%、「どちらかといえば自信はない」が20.9%でした。
また、1人あたりの子育てに必要だと思う最低限の収入額を聞くと、平均が831万7000円、中央値が525万円、最頻値が525万円となっています。
平均値を見るとかなりハードルが高いように思えますが、日本に年収800万円以上の方はどのくらいいるのでしょうか。
4. 日本に年収800万円以上はどのくらいいる?
国税庁「令和5年分 民間給与実態調査統計」を基に、年収800万円以上の割合を見てみましょう。
<男性>
- 800万円超 900万円以下:4.9%
- 900万円超 1000万円以下:3.6%
- 1000万円超 1500万円以下:6.3%
- 1500万円超 2000万円以下:1.4%
- 2000万円超 2500万円以下:0.4%
- 2500万円超:0.5%
<女性>
- 800万円超 900万円以下:1.0%
- 900万円超 1000万円以下:0.7%
- 1000万円超 1500万円以下:1.0%
- 1500万円超 2000万円以下:0.2%
- 2000万円超 2500万円以下:0.1%
- 2500万円超:0.1%
<男女計>
- 800万円超 900万円以下:3.2%
- 900万円超 1000万円以下:2.3%
- 1000万円超 1500万円以下:4.0%
- 1500万円超 2000万円以下:0.9%
- 2000万円超 2500万円以下:0.3%
- 2500万円超:0.3%
全給与所得者5076万人のうち、年収800万円以上の割合は12.0%となっています。男性のほうが年収が高い傾向にありますが、それでも17.1%に留まります。
5. 平均年収は上昇傾向にあるが…
国税庁の調査によると、2023年の平均給与は459万5000円となっており、2014年の420万9000円と比べて40万円ほど増加していることがわかります。
<平均給与の推移>
- 2014年:420万9000円
- 2015年:423万4000円
- 2016年:425万円
- 2017年:433万6000円
- 2018年:439万1000円
- 2019年:438万4000円
- 2020年:435万1000円
- 2021年:445万7000円
- 2022年:457万6000円
- 2023年:459万5000円
平均年収は増加傾向にあり、10年前に比べると年収800万円以上の割合も増えているものと考えられます。
しかし、それ以上に結婚や出産に対して消極的な方が増えており、子どもを持つために必要と考える年収の基準も高くなっているのが現状です。
6. さらなる少子化対策の実現が求められる
パーソルキャリア株式会社の調査では、1人あたりの子育てに必要だと思う最低限の年収は800万円以上と回答した方が最多となっています。
それに対し、実際に年収800万円以上の方の割合は全体の1割程度に留まります。
夫婦共働き世帯であれば、世帯年収が800万円以上になるケースも多いと思われますが、そもそも結婚や出産に対する意欲が低下しているのが現状です。
学費の補助や子育て世代の減税など、さらなる少子化対策の実現が求められています。




