10月1日に新総裁に就任した石破茂氏が衆議院の解散を表明し、9日に実施されました。今後、与党の方針や新しい首相によって年金など社会保障関連の施策がどう変わるのか、注目している人もいるでしょう。

年金は老後の大切な資金源ですが、現状だけに頼るのは不安な面もあります。特に近年は、年金受給額の減少や長寿リスクもあるため、他の収入源や貯蓄が欠かせません。

そこで今回は、年金の仕組みと年代別の平均受給額を確認しながら、NISAやiDeCoといった資産運用の方法もご紹介します。

計画的な資産形成を考えることが、安定した老後の生活につながるでしょう。

1. 自分が将来受け取る年金を知ろう!「国民年金・厚生年金」の仕組み

まずは、日本の公的年金制度について、仕組みをおさらいしておきましょう。

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2種類が存在し、これらは2階建て構造となっています。

【図表】日本の年金制度のしくみとは?年金受給額の一覧表は2枚目をチェック!

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分)とは?

まずは、1階部分となる「国民年金」について解説します。

国民年金は、原則日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が加入しなければならないものです。

  • 保険料は一律:2024年度の保険料は月額1万6980円
  • 年金額は納付期間に応じて変動:2024年度の満額は月額6万8000円

国民年金には3つのタイプの被保険者がいます。

  • 第1号被保険者:20歳以上の学生や自営業者など
  • 第2号被保険者:厚生年金に加入する会社員や公務員など
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者

第1号被保険者は自分で国民年金保険料を納付しなければいけません。

一方で、第2号と第3号被保険者の保険料は、第2号被保険者が加入している厚生年金制度によって負担されるため、個別で払う必要はありません。

1.2 厚生年金(2階部分)とは?

次に、2階部分となる「厚生年金」について見ていきましょう。

厚生年金は、会社員や公務員などが、国民年金とあわせて加入するものです。

つまり、厚生年金に加入している場合は、将来「国民年金と厚生年金」の2種類の年金を受け取れるのです。

  • 保険料は給与に応じて:毎月の給与やボーナスに応じた保険料を納付(上限あり)
  • 給付額は納付額次第:加入期間や納付額に応じて計算され、国民年金に上乗せして支給

では実際に、国民年金と厚生年金に加入している人たちが、老後にどれくらいの年金を受け取るのでしょうか。

次章にて、厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の平均月額をチェックしていきましょう。