「2025年問題」という言葉をご存知でしょうか。

長年の少子高齢化問題に伴い、老後の介護費用や医療費負担の増大、働き手や地域の担い手不足など極めて重要な社会問題と言われています。

このような状況下において、やはり老後=セカンドライフを無事に迎えられるのか不安を強くする方も少なくありません。

「日本の年金制度は期待できない」「年金は本当にもらえるのか」という声を日頃よく耳にしますが、目まぐるしく変わる現代、常に最新の情報を得ることは大切です。

そこで今回は、現役シニア世代の懐事情に注目していきます。実際にどのような老後生活を送っているのか見てみましょう。

1. 年金世帯「65歳以上の無職夫婦世帯」の平均貯蓄額はいくら?

総務省統計局の資料によると、65歳以上で無職の夫婦世帯の平均貯蓄額は2504万円でした。

【写真1枚目/全4枚】65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額。勤労世帯も含む貯蓄額は2枚目で紹介

65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」

過去5年間の、平均貯蓄額の推移は以下のとおりです。

  • 2018年:2233万円
  • 2019年:2218万円
  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円
  • 2022年:2359万円
  • 2023年:2504万円

2018年から2020年までは2200万円台でしたが、2021年からは2300万円台に上昇、2023年には2500万円台に達しました。

貯蓄額の増加にはいくつかの要因が考えられますが、主に下記3つの要因が挙げられます。

  • 年金不安
  • 長寿化
  • 金融市場の影響

少子高齢化の進行に伴い、年金制度に対する不安が高まっています。将来に備えて貯蓄を増やす傾向が強まっていると考えることができるでしょう。

また、長寿化が進めば長期的に生活資金が必要となります。老後資金としての貯蓄の「重要性」がさらに高まっていると考えることもできます。

あるいは、資産運用や投資を積極的に行う世帯では、金融市場の変動によって資産価値が上昇し、結果として貯蓄額が増えている可能性もあるでしょう。

ここまで、無職世帯の貯蓄状況を見てきましたが、次章では65歳以上の「勤労世帯を含む」世帯の貯蓄額についても詳しく見ていきます。