2024年9月25日に国税庁が発表した「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与額は460万円であり、前年比で0.4%の増加となりました。

平均給与の増加は嬉しいことですが、物価上昇が続き支出も増えているため、日常生活に余裕ができたと感じる人はそう多くないと考えられます。

そんな中でも、現役世代は老後に向けた資産形成がマストといわれています。少子高齢化が深刻な問題となる日本では、将来的に公的年金の支給水準が減少すると予想されているからです。

では、現代のシニア世代が年金収入だけで生活できているかといえば、そうではありません。

現在の老齢年金の支給額はどのくらいあるのでしょうか。本記事では、厚生労働省の資料をもとに、老齢年金「国民年金・厚生年金」の平均受給額を確認します。また、意外と知らない人が多い、年度途中で年金額が増えたり減ったりする仕組みについてもご紹介します。

1. 【厚生年金・国民年金】平均受給額は月額いくら?

厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末現在の老齢年金「厚生年金・国民年金」の平均受給額は次のとおりです。

全体・男女別:国民年金・厚生年金の平均受給月額(一覧表)

【男女別】厚生年金・国民年金の平均受給月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

1.1 【全体・男女別】国民年金の平均受給月額

男女全体平均月額:5万6316円

  • 男性平均月額:5万8798円
  • 女性平均月額:5万4426円

1.2 【全体・男女別】厚生年金(国民年金を含む)の平均年金月額

男女全体平均月額:14万3973円

  • 男性平均月額:16万3875円
  • 女性平均月額:10万4878円

国民年金のみを受給する人は平均月額5万円台、国民年金に加えて厚生年金も受給する人は平均14万円台です。

ただし、個人差がある点に留意しておきましょう。国民年金であれば未納や免除期間が長い場合には、平均額を大きく下回ります。厚生年金は現役時代の年金加入期間や収入に応じて決定する保険料により年金額が計算されるため、より個人差が大きくなります。月額30万円以上の高額受給者もいれば、国民年金の平均月額をも下回る人もいます。

老齢年金の受給額は現役時代に確定されるものではありませんが、老後に向けた資産形成を進めるにあたり、自分の年金収入がどのくらいになるのか想定しておく必要があるでしょう。

年金の見込額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。おおまかな老後の収入額を把握しておくと良いでしょう。