国民年金や厚生年金などの公的年金収入金額やその他の所得が、一定基準額以下の年金受給者を対象とした「年金生活者支援給付金」があります。年金生活者の経済的な負担を軽減することを目的として、年金に上乗せして支給されるものです。
昨今の物価高により、生活が困窮している年金受給世帯も多いでしょう。年金生活者支援給付金は、月額約5000円が支給されるため、受給できれば生活費に充てることが可能です。
年金生活者支援給付金を受給するには一定の要件を満たしている必要があるため、制度について詳しく確認していきましょう。
1. 年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金制度とは、消費税が10%に引き上げられた分を活用し、年金収入などが一定額以下の年金受給者を支援するために、公的年金に上乗せして支給される給付金です。
給付金を受給するためには、9月から順次発送されている「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」による請求手続きが必要です。原則として、請求した月の翌月分から支給されるため、お手元に届いた際には速やかに手続きを行いましょう。
支給判定は、前年の所得に基づき1年ごとに行われ、判定の結果は10月分から翌年9月分まで反映されます。
なお、年金生活者支援給付金は、世帯ごとではなく受給者ごとに受給要件に該当するかが判断されます。そのため、夫婦ともに要件を満たす場合は、2人とも受給可能です。
2. 年金生活者支援給付金の種類と支給額
年金生活者支援給付金は、受給している年金の種類により以下の3つに分かれ、それぞれ支給要件や支給額が異なります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
それぞれの種類について、支給要件や支給額を確認していきましょう。
2.1 老齢年金生活者支援給付金
老齢基礎年金(国民年金)を受給中で、以下の支給要件をすべて満たす方には「老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
【支給要件】
- 65歳以上で国民年金を受給している
- 世帯全員の市町村民税が非課税である
- 前年の公的年金収入金額(※)とその他の所得が以下のとおり
※障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません
【昭和31年4月2日以後生まれの方】
- 78万9300円以下
【昭和31年4月1日以前生まれの方】
- 78万7700円以下
【給付金額】
国民年金保険料を40年(480月)納付した場合は、月額5310円が支給されます。
保険料の払込免除期間がある場合は、以下の計算式(1と2の合計額)で求めます。
- 保険料納付済期間(月額)=5310円×保険料納付済期間/480月
- 保険料免除期間(月額)=1万1333円×保険料免除期間/480月
【補足的老齢年金生活者支援給付金】
前年の所得の合計額が以下の場合、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
【昭和31年4月2日以後生まれの方】
- 78万9300円を超え88万9300円以下
【昭和31年4月1日以前生まれの方】
- 78万7700円を超え88万7700円以下
老齢年金生活者支援給付金は、基準となる所得額を少額でも超えてしまうと受給対象外になります。そのため、所得基準額を少し超えてしまう方よりも、老齢年金生活者支援給付金を受給する方の方が、所得が多くなる可能性があります。このような状況を解消するための仕組みが「補足的老齢年金生活者支援給付金」です。
2.2 障害年金生活者支援給付金
障害基礎年金を受給していて、以下の要件をいずれも満たしている方には、「障害年金生活者支援給付金」が支給されます。
【支給要件】
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※1)が472万1000円以下(※2)である
※1障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まない
※2扶養親族等の数に応じて増額
【給付金額】
障害等級により、以下の金額が毎月支払われます。
- 障害等級2級の方:5310円
- 障害等級1級の方:6638円
<参考>
- 障害等級1級の程度:ほとんどの日常生活をほかの人の介助なしでこなすことが困難な状態。入院や在宅介護が必要で、行動範囲がベッドの周辺だけに限られている方。
- 障害等級2級の程度:食事や着替えなどの日常生活は一人でできるが、身体機能が著しく低下していて働けない状態。
2.3 遺族年金生活者支援給付金
遺族基礎年金を受給している方で以下の要件をいずれも満たす方には、「遺族年金生活者支援給付金」が支給されます。
【支給要件】
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※1)が4,721,000円以下(※2)である
※1障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まない
※2扶養親族等の数に応じて増額
【給付金額】
毎月5310円が支払われます。ただし、複数の子どもが受給する場合は、5310円を子どもの数で割った金額がそれぞれ支払われます。
たとえば、子ども2人が遺族基礎年金を受給している場合の支給金額は、ひとり当たり2655円(5310円÷2人)です。
3. 令和6年9月から請求書が送付予定
令和6年度から新たに年金生活者支援給付金の対象になる方を対象に、令和6年9月頃「年金生活者支援給付金請求書」(はがき型)が送付されています。給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金請求書を提出しなければなりません。
手続き方法は以下のとおりです。
- 請求書の太枠内を記入する
- 切り取り線に従って請求書を切り離す
- 記入後、目隠しシールを貼る
- 住所・氏名を記入し切手を貼付のうえ投函する
4. まとめにかえて
年金所得やその他の所得が一定の基準金額以下の年金受給者を対象に、9月から「年金生活者支援給付金請求書」が送付されています。月額約5000円の給付金が支給されるため、請求書が送付された場合は、速やかに手続きをとりましょう。
給付金を受け取れるのは、一定の要件を満たした方のみなので、本記事で解説した受給要件を確認してみましょう。もし不明な点などがある場合は、「給付金専用ダイヤル」(0570-05-4092)やお近くの年金事務所に問い合わせてください。


