2024年9月30日に、株式会社帝国データバンクがリリースした調査結果「定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年10月」によると、10月は年内最大となる2911品目が値上げとなっています。
年金暮らし夫婦世帯の生活費において大きなウェイトを占めるのが食費。昨今の継続的な食品の値上げラッシュは、家計へ大ダメージを与えていることでしょう。
老後は、一般的に公的年金を中心に生活することになりますが、年金収入だけで家計のバランスを維持できるのでしょうか。また、シニア世代は貯蓄をどのくらい保有して年金生活を送っているのか。
統計データを参考に、シニア世代のマネー事情を観察していきましょう。
1. 年金生活世帯「65歳以上の無職夫婦世帯」の平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局の資料によると、65歳以上で無職の夫婦世帯の平均貯蓄額は2504万円でした。
以下は2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移です。
【2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移】
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
この推移から見ると、65歳以上無職の夫婦世帯(年金世帯)の貯蓄額は、ここ数年で着実に増加していることがわかります。
特に2020年以降の増加が顕著であり、2023年には2500万円を超えました。
貯蓄額の増加にはいくつかの要因が考えられますが、主に下記のような要因が挙げられます。
- 年金不安
- 長寿化
- 金融市場の影響
少子高齢化が進む中、年金財政に対する不安が増しています。将来に備えて貯蓄を増やす傾向が強まっているのかもしれません。
また、平均寿命が年々延びていることから、長期間にわたる生活資金の必要性が増し、結果的に貯蓄の重要性が高まっていると考えることもできます。
さらに、年金不安や長寿化以外にも、資産運用や投資を積極的に行っている世帯では、金融市場の変動によって資産価値が上昇し、それが貯蓄額の増加に繋がっている可能性もあります。
ここまで無職世帯の貯蓄額について見てきましたが、次章では65歳以上の「勤労世帯も含む」世帯の貯蓄額についても詳しく見ていきます。