投資信託は「実りある貯蓄」を実現するために便利な金融商品といえるのではないでしょうか。もっとも投資信託はリスクのある金融商品で、預貯金とは異なり、投資した金額よりも価格や資産価値が下落することもあります。今回は投資信託を購入する際に気を付けるべき点をまとめました。

投資信託を購入する際の注意点リスト

投資信託の初心者が失敗する代表的なポイントについて整理しました。大きく言えば、費用、商品選び、そしてタイミングとでもいえましょうか。以下、詳細についてみていきましょう。

購入や運用に伴う費用には気をつけよう

購入手数料が無料の「ノーロード」と呼ばれる投資信託も最近では数多く出てきています。投資先の内容が同じであれば「ノーロード」の投信信託を選びましょう。

また、一旦投資信託を購入すると「信託報酬」とよばれる運用に伴う費用が発生します。これは投資信託によって異なりますが、「アクティブファンド」と呼ばれる株価指数などのパフォーマンスを上回ることを目指す投資信託の信託報酬は株価指数などのパフォーマンスを目指す「インデックスファンド」と比べると通常は高い水準です。投資信託初心者は「インデックスファンド」から始めてもよいでしょう。

どの資産を選ぶかをあらためて考えよう

資産形成のために貯蓄を始めたいと考えた時に、ぱっと思いつく身近な資産は国内株式である「日本株」ではないでしょうか。その際、日本株式を主な投資対象とする投資信託を購入しようとお考えの方も多いと思います。

ただ、プロ投資家の間でよく言われるのは、日本株全体で見ると景気に応じて循環する(シクリカルの)資産であり、循環をしながら成長をするという米国株や世界株のような「シクリカルグロース」の資産ではなかったということです。

もっとも今後、日本が経済成長が続くのであればこれまでの歴史から違うといえるのですが、これまで通りの循環経済であれば日本株全体でいえば、長期保有ではなく「売買」が必要な資産だということです。

株価が継続して拡大していくためには当たり前ですが、経済成長が必要です。であれば、なにも日本にこだわらずに、海外資産に目を向けてもよいのではないでしょうか。日本株や国債といった円資産にこだわらない運用スタンスも必要ではないでしょうか。

相場の大暴落のタイミングを選べるように現預金も持っておこう

毎月積み立てるというスタイルで投資タイミングを選ばずに投資信託を買い増していくのもよいのですが、一方で金融危機時などでやってくる絶好の買い場でリスク資産を買い増すことができるキャッシュポジション、いわゆる現金も重要です。

いわゆる富裕層も「世界のお金持ちは何に投資をしているか」で見た来たようにポートフォリオ全体のうち約30%は現金等です。また、「お金持ちは金融危機の度に資産が増える、その理由とは」でも見てきたように、富裕層は金融危機の度に資産が増している状況が分かります。相場が暴落した時に優良資産を買いますというのは世界を代表するウォーレン・バフェットも同じです。

まとめにかえて

投資信託で失敗をしないために、事前に注意できることを改めて整理をしてみました。「投資信託で損をした経験があるのでもうたくさん」といういわゆる「投信アレルギー」がある方でも、あらためて海外資産のノーロードのインデックスファンドから「実りある貯蓄」を意識した資産形成を考えてみてもよいうのではないでしょうか。

LIMO編集部