お金持ちは金融危機の度に資産が増える、その理由とは

株初心者もマネしたい投資行動とは

Nicole S Glass/Shutterstock.com

お金持ちの資産運用は実際のところ良い結果が出ているのでしょうか。株初心者や資産形成層に参考になるところがあるのでしょうか。今回はUBS/PwCによる「Billionaires insights 2017」や仏キャップジェミニ「World Welth Report 2018」を参考に見ていきましょう。

世界のお金持ちの運用パフォーマンスとは

2016年は世界のお金持ちの資産(billionare wealth)は対前年比+17%上昇したとされています。一方、世界株式の代表的な指標であるMSCI AC World Indexは対前年比+8.5%の上昇にとどまっています。

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株式投資家からすれば年間で9%も上昇すれば「御の字」という方もいるかもしれませんが、こうしてみるとお金持ちの資産運用は2016年を見る限りでは、しっかりと世界株のパフォーマンスを上回ってなされていることが分かります。

金融危機の度にお金持ちは資産を増やす

経済や資本市場においては過去20年近くを見ると様々なことがりました。

  • 1990年代後半のアジア通貨危機
  • 2000年初頭のインターネットバブル崩壊
  • 2008年のリーマンショック

こうした大きなショックがあり、経済や資本市場ではほとんどの投資家が大きくネガティブな影響を受けます。お金持ちも例外ではありません。

ただ、お金持ちはこうした金融危機で一時的に資産を減らしますが、その後数年もするとそれを超えて資産が大きくなっていることがUBS/PwCのレポートからもわかります。

お金持ちのポートフォリオの中身とは

「世界のお金持ちは何に投資をしているか」でもお伝えしたように、仏コンサルティング大手のキャップジェミニによれば富裕層の資産構成は以下の通りです。

  • 株式:31%
  • 現金及び現金同等物:27%
  • 不動産(住居を除く):17%
  • 債券:16%
  • オルタナティブ投資:9%

ここから分かることは「現金及び現金同等物」のポジションをしっかりと3割程度持っているということです。

キャッシュをいかに上手に使うのか

ヘッジファンドや富裕層を得意とする金融機関で勤務していたビジネスパーソンは次のように言います。

「本当のお金持ちは金融危機の時に買い出動できる現金が常に手元にあるんですよね。そこでしっかりと良い資産を安値で拾えるのがポイントではないでしょうか」

「現金信仰」が強いとされる日本ですが、ここまで見てきたように世界のお金持ちが金融危機にしっかりと買い出動できるような準備ができているのだとすれば良いのですが、日本のお金持ちの今後の投資行動はどうなるのでしょうか。引き続き注目です。

青山 諭志

参考記事

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット動向、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄や投資といった個人の資産運用動向を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。