一家の大黒柱である夫が死亡した場合、残された家族にとって遺族年金は貴重な収入です。

ただし、遺族年金だけで妻や家族は生活できるのでしょうか。

本記事では、夫死亡後に遺族年金で妻の生活が保障されるかどうかについて解説します。

2024年度の財政検証を受けた遺族年金制度見直しの方向性についても紹介しますので、万一に備えて内容を確認しておきましょう。

1. 遺族年金には2種類ある

遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。

まずは、夫に先立たれた妻に支給される遺族年金について解説します。

1.1 遺族基礎年金は子どものいる妻に支給される

夫が死亡し18歳まで(※)の子どもがいる場合、夫が保険料の納付要件などを満たしていれば、残された妻には遺族基礎年金が支給されます。

※18歳になった年度の3月31日までの子ども、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子ども。

1.2 遺族厚生年金は夫が厚生年金に加入していると妻に支給される

死亡した夫が会社員で厚生年金に加入して一定要件を満たしていれば、遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金が支給されます。

子どもがいない場合も、遺族厚生年金は支給されます。

遺族厚生年金は原則一生涯支給されますが、夫の死亡当時「子どものいない30歳未満の妻」のみは5年間しか支給されません。これを「遺族年金の5年ルール」と呼びます。